勝手に膳次郎 その1
たがわ靖之のエッセンスを凝縮
本作「勝手に膳次郎」は「勝手に膳次郎 全4話」と「鮨平喧嘩にぎり 全2話」、「無法寿司 全1話」を収めた料理短篇集です。
「夜の料理人」や「庭師一代」といった超強力マンガと比べればそのトンデモ成分は劣りますが、たがわ靖之の魅力を十分に伝える一品だと思います。
今日はそんな、たがわ靖之漫画でもっともマイナーと思われる「勝手に膳次郎」をご紹介します。
参考:
夜の料理人 ブラック徒然草
夜の料理人 イヌノキュウカクPOP!
庭師一代 ブラック徒然草
庭師一代 バカ漫画の世界
東京浅草の一流料亭に弟子入りした沢田膳次郎。
先輩の嫌がらせにも屈せず、具と汁を別々にした椀盛で美食家の意表を突きます。
「ザルソバの要領で食べてもらう」新感覚椀盛は見事大成功でした。
う〜ん、でもこれだけじゃ普通の料理漫画ですよね……。
ご安心ください。期待を裏切ることなく、変なのが登場しますから。
彼こそ花板(=板場を仕切る最上位者。板長)の大村常五郎。
どうです、この面構え。何かやらかしてくれそうな風貌です。
お決まりの料理バトルが始まりました。
箸洗い(=料理と料理の間に出される口すすぎの料理。前後の料理の味を引き立てる)で何としても挽回しなければなりません。
未熟な膳次郎に、常五郎がアドバイスします。
木の削りクズ……?
この箸洗いが審査員に大ウケ。
その後の料理で逆転勝利を収めます。
常五郎が手渡した削りクズ、その正体は味噌ダルでした。
「これまで味わったこともない深い滋味」だったと語ります。
ほんとかよ。
試す気分にはちょっとなれませんね……。
常五郎の快挙は続きます。
「うまい料理が食べたい」と仮病でごねる社長に、起死回生の料理が。
氷の中を鮎が泳いでいます!
名付けて「清流くずし」!!
実はこの氷に見える物体は寒天。さらに中のソーメンがこれまた絶品。
もう、常五郎が主人公でいいんじゃないかな。
第4話は特に盛り上がりを見せることなく終わってしまうのでカットしま〜す。
(出典)「立合い料理人 勝手に膳次郎」たがわ靖之 スタジオ・シップ 1990
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- 作者: たがわ靖之
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1986/09
- メディア: コミック
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