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メトロミューがやさしく奏でる宇宙①オリジナル曲編

今回も好きな音楽の記事です。

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メトロミューが好きなんだ

メトロミューは宇宙を旅するバーチャルシンガーソングライターである。Twitter上での活動は2020年3月31日から始まり、5月22日のファーストシングル「めろめろグルーブ」配信以降は2ヶ月おきのペースでオリジナル曲をリリース、2021年6月9日にはファーストアルバム『STELLAR BOX(ステラーボックス)』が販売開始となっている。オリジナル曲の他、カバー・コラボソングを含めると2022年1月現在18曲が配信中である。

詳しいプロフィールはほとんど明かされていないが、「ECLAIR RECORD+」の配信などから次のような情報が分かっている。

・METRO MEW(メトロミュー)のメトロが名字、ミューが名前。

配信を聞くと、名字と名前を区切って「メトロ・ミュー」と発音していることが分かる。

・宇宙を旅しながら作曲している。

・搭乗している宇宙船の名前は「ECLAIR DRIVE(エクレアドライブ)」。深海探査船によく似た円筒形で、上後部にパラボラアンテナのような装置が付いている。

・宇宙船と音楽の機材は「お父さん」のお下がり。

・白銀のショートヘアーに稲妻型の髪留め、星型のイヤリング、緩めのTシャツ、そして黒いショートパンツに白の厚底ブーツというファッション。Tシャツの色は白を好んで着ているが、赤、青、黄色などビビッドな色合いをチョイスすることもある。

・寝相が悪く船内を漂って眠るため、壁にぶつかりながらスクリーンセーバーのようになっていることがある。

・「ら行」がうまく言えない。

主な出典:

「ECLAIR GROOVE : 01/プロローグ」

https://www.youtube.com/watch?v=BQDalOqh6T4

「ECLAIR GROOVE13/フリートーク:密かな願い」

https://www.youtube.com/watch?v=uaetvrh3dgI

中村さんその紹介記事と同様に、今回も「宇宙」「まどろむ」という謎指標を交えてメトロミューの曲を紹介していきたい。

「宇宙」という指標では、無重力に身を委ねるような快い浮遊感をどれだけ味わえるかについて点数化している。広漠とした空間を旅する孤独、遥かな惑星への憧れといった感情も「宇宙」には含まれている。

「まどろむ」というのは、文字通りどれくらい眠くなれるかの指標である。眠くなることは退屈や怠惰といったネガティブな意味ではなく、美しいメロディーと歌声がもたらす優しい快楽といえる。特にメトロミューのウィスパーボイスは眠る間際に心地よく、静かにまっすぐ伸びていく吐息はやがて夢へとつながり、一夜の宇宙旅行が始まる。

 

1.「めろめろグルーブ」(2020年5月22日配信)

宇宙:★★★★★

まどろむ:★★★★★

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メトロミューの魅力が全て詰まったデビュー曲。惑星”スパーク“に降り立ったメトロミューは神秘的な輝きを放つサイダーストーンを見つけ、初めての歌を書き上げた。漂うようなメロディーと丸みのある電子音は耳にやさしく溶け込み、暗闇に瞬く星座が目の前いっぱいに広がっていく。遠い星へ向かって祈るように歌うのは少し寂しいけど、きれいな歌と音楽があれば旅を続けていける。とにかくこの一曲から聞いてみてほしい。

 

2.「仮想なハートビート」(2020年7月12日配信)

宇宙:★★★☆☆

まどろむ:★★★★★

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綿菓子のようにふわふわとした形状の惑星”ティクリング“で生まれた1曲。降り注ぐ雨粒はカラフルなキャンディーのようで、傘に落ちるたび異なる鍵盤の音が流れる。ぐずついた雨雲の下、少し切ない恋愛模様は曲調と同じく大きな動きは見られないが、ゆったりとしたメロディーを繰り返し聞いていたくなる。メトロミューは「さみしさを包み込むようなやわらかくて、くすぐったい歌」と自ら語っている。

 

3.「プラズマ」(2020年9月11日配信)

宇宙:★★★★☆

まどろむ:★★★☆☆

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惑星”ウィスパー“は「密かな願い」を載せた流れ星たちの通り道となっているガス状の惑星。着陸することは叶わなかったが、通過する際の”音“を拾い集め、この3曲目が生まれた。流れ星が映す一瞬のきらめきを切り取ったようなスピーディーでスリリングなナンバー。

 

4.「ねむたいUFO」(2020年10月30日配信)

宇宙:★★★★★

まどろむ:★★☆☆☆

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料理や食事を楽しむ生物がたくさん住んでいる惑星”テイスト“から、珍しい食材を持ち帰ることができた。その食材で作ったパフェを食べ、思わず眠くなってしまったのが曲名の由来。アップテンポでリズミカルなメロディーはゲーム音楽を彷彿とさせ、MVの背景にはゲームセンターの筐体やゲームウォッチゲームボーイなど、平成初期の懐かしいアイテムが所狭しと立ち並んでいる。

 

5.「都市伝説」(2021年1月8日配信)

宇宙:★★★★☆

まどろむ:★★★★☆

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「使われなくなった小さな人工惑星」”メディウム“で生まれた1曲。謎めいたタイトルと神秘的なメロディーとは裏腹に「お昼すぎ、ちょっと目が覚めてなに食べようって決められない時間どこに行けばあるの」とアンニュイな歌詞はミスマッチで楽しい。80年代の洋楽を思わせるようなカクカクしたCG、垢抜けないカメラワークなど、ダサいはずなのにどこか懐かしいMVも必見。

 

6.「ずっとモーション」(2021年11月3日配信)

宇宙:★★★★☆

まどろむ:★★★★★

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ファーストアルバム『STELLAR BOX(ステラーボックス)』収録のダウンテンポでひたすら心地よい1曲。切なくセンチメンタルな歌詞はメトロミューのやさしい歌声で包まれ、辛い思い出も空に羽ばたき波間に漂い、彼方へとゆったり流れていく。

 

7.「ECLAIR GROOVE」(2020年4月6日プロローグとして配信)

宇宙:★★★★★

まどろむ:★★★★★

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メトロミューがデビューしたプロローグシーンへの挿入曲。『STELLAR BOX』収録時に初めてフルで配信された。宇宙船の通信装置が奏でるリズミカルな機械音は最初単調に聞こえるかもしれないが、不意に糸が切れるように音が完全に消えてしまう瞬間があり、宇宙での通信障害を思わせるような緊張感を持たせている。時折聞こえてくる歌声は途切れていて歌詞を聞き取れず、しかし、だからこそ遠い宇宙へ想像は膨らみ、メトロミューの歌を受信しているのは自分だけかもしれないと密かな興奮を覚える。

 

参考

spaceshowermusic.com

spaceshowermusic.com

metromew.booth.pm